取材つづり~vol.7 柴山の港を背中で語る

一泊二日の取材を振り返って、近藤さんが感じた柴山、松栄丸はどんなものだったのでしょうか。

身体をつくるものとは

本当に忙しい、手間をかけようと思えばいくらでもかけられる漁師という仕事。追いかけ、合間を縫ってはお話しを伺った1泊2日の取材旅でした。

 

途中、寺川兄弟の父である先代から、、「食べることは、人間にとって一番大切。人間は身体を強くするために食べる。その身体をつくる食材を提供することは、非常に大きな使命だと思う」という熱くて静かな決意を感じさせてくださるお話しが。

漁師の子に生まれ、当たり前として仕事を手伝うことが苦痛で、都会に憧れてマチを出た兄弟。やはり時を経て父の職を継ぐことになった真の理由は、父の思いを知らないうちに受け止めていたからと思わずにいられません。

 

本当の謙虚さって、きっとこういうこと

淡路島への帰路、書き留めた兄弟の言葉を読み返し、柴山をしっかりと心に刻みます。

買い手の気持ちを学ばせてもらった。
食べることについて教えてもらった。
自分は間違っていたと気づかせてもらった。
やってくれている、してくれている。

すべて、謙虚に学び続ける姿勢が言葉に表れています。

愛する柴山の、「海・人・魚」。年中豊かな柴山の海を、海のスタッフやマチの人を、海の幸の本当に美味しいものを知ってもらいたいという情熱がひしひし沁みてきますね。

 

隅々にいきわたる美しい仕事

松栄丸の皆さんの仕事は本当に美しい。水槽に浮かべられた、カニの等級の説明紙。見やすく直角に浮かべられています。木箱の中の魚や貝の陳列も、向きを揃えて芸術品のように並びます。

購入してくれる人への感謝と、海産物への敬意を感じて心地よくなります。

 

どんな些細なことにでも、ひたすらに全力で

一番感動したのは、セリが始まる前の二時間。ひたすらひたすら寺川社長が選別の確認をし続ける。それを静かに側で見守る寺川船長。

二人は、とても話しかけられるような雰囲気ではありませんでした。無我夢中の精査に殺気のようなものを感じ、遠くからひたすら見守るしかなかった沈黙の時間。兄弟の想いと信頼関係が、あの空間を作り上げていたような気がします。

 

すっかり繋がれてしまった柴山のあふれる魅力

コンビニが無い、観光施設が無い、商店も廃れていく。でも穏やかな湾にはそこだけ風が穏やかで海が凪いで守られている。

そんな柴山に降り立ち、初めて見た松栄丸が無事に港の太いロープに繋がれほっとした瞬間から、私の心がすっかり香住に繋がれてしまったように思います。海に携わる仕事っていいな。。

私が、「釣りが好きなんです!!」と言ったら、とっても嬉しそうな顔で魚が好きなことを喜んで下さった寺川兄弟。

 

選別の真摯な背中が語る男の仕事。寺川社長の、珈琲好きな娘さんに伝えたい、「あなたの父の背中は、泣ける程美しいよ」と……。

さて、これにて、7回続いた旅行記が終了です^^
最後までお付き合い、ありがとうございましたー!

 

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近藤 加奈子
近藤 加奈子

釣り好きが高じて淡路島に移住し2年!海の中の魚の世界、どうなってるの?と、松栄丸さんのお話しを聞いて、見てすっかり柴山港のトリコになってしまいましたよ!トリコポイントをゆるゆるお届けしま~す〇