海のスタッフインタビューvol.1 / 機関長 キヨさん

松栄丸広報室新メンバー・藤本沙紀の取材記。初めて訪れる香美町柴山で感じた、空気、景色、人。松栄丸の機関長・キヨさんに、松栄丸のお仕事のこと、今年の意気込みをお聞きしました!

 

“お金以上の価値がある” やりがいのある漁師の仕事

キヨさんは、香美町香住のご出身。ご実家は魚屋で、漁師である父・祖父の姿を見て育ちました。しかし年々衰える漁獲量に、実家の魚屋は経営不振に。”何かできることはないか”と考えた末、「自分が漁師になって魚をとろう!」と漁師の道へ進みます。

「本当は数年で辞めようと思ってたんです。でも、思っていた以上に漁師の仕事が楽しくて。金銭面では公務員とかの方が安定していて良いのかもしれないけど、漁師にやりがいを感じて続けています」。

松栄丸のスタッフをはじめて10年、現在は機関長を務めています。

 

松栄丸の良いところは、チームワークの良さ

「機関長といっても、別に大したことはしてないですよ。(笑) それに、”機関長だから凄い”とも思ってません。みんな本当によく動いてくれるし、僕は僕で与えられた仕事をしているだけです」。

常に謙虚な姿勢のキヨさんですが、船の上では網を打つ船頭や、それぞれの役割を担う海のスタッフが動きやすいよう、機関長として全体のサポートに気を配ります。

 

「だからそんなに、”僕のポジションはこれをやってる!”っていうのはないんです。若いスタッフが頑張ってくれるので、僕が出るところは無事に船が動くように。ただそれだけです」。

松栄丸の漁は、長くても3日間。比較的睡眠時間も安定的で、肉体的にも精神的にもストレスが溜まりにくいのだそうです。

 

「だから松栄丸のスタッフは、みんな穏便。常に”みんなで頑張ろう”みたいな雰囲気があるので、チームワークも良く保てています」。

 

漁だけじゃない、「整備士」としての役割

漁シーズンがひと段落し、ゆっくりと休暇をとれる夏の時期。みんなが羽を伸ばす中、機関長であるキヨさんは、漁師の顔から一転、整備士としての役割を全うします。

「夏は僕の仕事が増える時期(笑)。 次の年に向けて、船の準備をするんです」。

数々の過酷な漁に耐えてきた船は、やはり痛みが出てくるもの。網の修理や機械の検査。しっかりと整備し、また無事に漁を終えられるよう、余念がありません。

「漁で魚をとることと同じくらい、責任があると思ってます」。

 

 

“漁師は魚をとることだけが仕事じゃない”。船を守り、仲間を守り、そして海に出ること。それが松栄丸・機関長の顔でした。

 

無事に航海が終えられるように…

 

去年は海のシケが多く、出航できないことが多かったんだそう。「自然環境に左右される漁なので、僕の立場的には無事にワンシーズン終えられるよう航海できれば良いなと思っています」。

 

いつも気さくな笑顔が印象的なキヨさん。そのビッグスマイルで、今シーズンも松栄丸を盛り上げていってくださいね。


船長 寺川 寿人

寺川兄弟の弟、松栄丸の船長。船の上からのレポートなど、漁師ならではの視点で日々の営みをお届けします。