取材つづり~vol.3 船に乗り、五感で「松栄丸」を感じる

柴山港へおりたった取材班、蟹漁から帰ってきた船長にはじめて会うことができました!

男たちの働く場所

 

ジャジャンっ!目の前の大きな船、潜入取材、開始です!おおきなクレーンや、横幅100mを超える網。船内の色使いは海に似合う、真っ白な船に映える賑やかな色がとりどりです。

 

 

 

台所や船内の仮眠室ものぞかせてもらいました。十分な広さとはお世辞にも言えなく、海で戦う男達が唯一身体を休め横たわる場所は、子どもが寝る空間かと思えるほどに狭い場所。鉄の塊の船。夏は相当熱く、冬は泣けてくる程寒いのかなとまたまた勝手におセンチモード。

 

 

 

日々のことが記録されたノートからは海の上の様子がうかがえます。初めて会う海のスタッフの皆さんなのに、すでに近所に住む叔母になったような気分。親しみを覚えてしまう柴山の魅力。

 

2階の船長室、潜入

電子機器が並ぶこじんまりした船長室。船長は、社長の寺川さんの弟さん。今日初めてお会いします。自己紹介も早々に、まず目に入った、室内の手すりの多さにびっくり。鮮度を重視するために、小さい船に乗り換えたという「松栄丸」。日本海側の豪快な波は、小型になった船を相当揺らすんでしょう。

高校時代から三ノ宮に下宿され、芸術大学を経て造園設計士をされていたことは事前に伺っていました。都会のホワイトカラーを経て船に乗ることを選択され、海の仕事にうつってみて実際はどうだったのでしょう?「幼い頃から父親の漁の手伝いをしていたから、他の仕事や都会に憧れたけど、今は海で働くほうが楽しいです。カニは魚群探知機に映らないですが、過去のデータを分析して、自分で探し当てに行くのが面白いです。どこのポイントに行くかは船長判断なので、責任もありますがね。」と答えてくださいました。

 

 

理系畑だった船長さん、目の前のたくさんの機械の役割を一つ一つ説明してくださいます。ポイントを探し当てるなどの魚とのやり取りに、手ごたえを感じているようにみえます。「漁師さん=早口で喧嘩っぱやい」と思い込んでいましたが。こちらが気恥ずかしくなってしまうほど知的な方で緊張しちゃいます。

 

海の上の男の世界

天気がいい時ばかりが漁期ではありません。そんな時も船を操る船長。

「天気を調べ、風を読み、他の船と情報交換をしても出航を迷う時がありますが、最終的には船長が出航判断をします。なによりもスタッフの安全が一番大切なので、海が穏やかな日でも船団を組んで出航します。プロペラに海の漂流物が絡まり、船が動かなくなることも考えられますから。」

 

真面目な話の合間に、漁師の業界用語なども歴史を踏まえて教えてくださいます。安全面の配慮や、スタッフが働きやすいような仕組みづくり、海の上を楽しんでみえることを聞いて、今まで抱いていた「漁師さん」のイメージを覆されてしまいました。今まで触れる事の無かった世界。なんだかとっても面白いです。どんどん引き出る深い思い。またゆっくりお話しを聞ける休漁期に再訪しようと一人心の中で決めました。

 

寺川兄弟を魅了する柴山の海

船長は沖では寝ない、つまり2日寝ていない。その上、次の日の「セリ」まで、一人ずっと船に残りみんなで漁獲したカニの番をするとのことです。勤務時間にびっくりしている私に、「セリに出るまでが漁師の仕事」と、こともなげにおっしゃった横顔に、男の仕事の潔さを感じます。

 

根ほり葉ほり聞きすぎて、ちょっと恐縮していた私たちに、「いろいろ聞いてくれて、仕事に興味を持ってくれてありがとう」と、やさしいステキな言葉をかけてくださいます。お話しをした後に、なんだかこころがほや~っと暖かくなる不思議な魅力をお持ちの船長さん。

魚や漁師、柴山のことを知って欲しいという思いは、きっと兄の寺川さんと一緒なんでしょう。さて、つぎの回は海を離れ、柴山についてをお届けしますね!

 

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近藤 加奈子
近藤 加奈子

釣り好きが高じて淡路島に移住し2年!海の中の魚の世界、どうなってるの?と、松栄丸さんのお話しを聞いて、見てすっかり柴山港のトリコになってしまいましたよ!トリコポイントをゆるゆるお届けしま~す〇